北陸新幹線の福井県への乗り入れ記念として、福井の思い出を書きなぐりましたが、
書いているうちにイロイロと思い出してきました。
せっかくなので、オムニバス形式でお送りいたします。
お好み焼き屋の怪
少しばかりアタマワルいセンパイと主張した際、、
晩メシを喰らいに、駅の近くのお好み焼き屋に出向いたんです。
福井のルールなのか、その店のルールなのか、、、
お好み焼きは、客が自ら焼く仕組みでした。東京と同じですね。
センパイったら、焼き始める前に、自分の器に水を流し込みました。
もんじゃ焼きみたいに、ユルユルなのが好きなんですって。
半分ぐらいを鉄板に流しこんだところ、、店主がソッコーで飛んできまして
「アンタ! 何をやっちゃってくれてるんだ!」
などと、血相を変えてワナワナしてるんですよ。
「あ、あのぉ、、、もんじゃ焼きにしようかと思って、、、、」
「どう食べようとアンタの自由だけど、、、最初ぐらいはウチの味で食べてくれい!」
そう言い残して店主は戻っていきました。
なんだか気まずくなったセンパイは、残る半分を焼けずにいると、、
再び戻ってきた店主が、ムンズと器を手に取り、
「コレ、もう下げちゃってイイね?」
返事も聞かずに持ち去ったのでした。
ぜんぜんアンタの自由ぢゃないぢゃん。。。
サービスガニの怪
初めての福井出張は、クルマでの移動でした。
当時は、北陸自動車道が全線開通しておらず、、
東京から関越道、上信越道と乗り継ぎ、直江津あたりからは国道8号線を走りました。
当時、冬場のカニのシーズンになりますと、国道沿いの海っぺりの駐車スーペースでは、
カニ売りのオバチャン達がズラっと露店を出していたんです。
センパイ社員はオバチャンからカニを買い、、、
出張には持って行けませんから、宅急便で自宅に送る手続きをしていました。
ワタクシもマネをする事に。だってムチャクチャ安いんですもの。
カニを3匹ほど買うと、、、
「ありがと! ぢゃあ、コレ、オマケ!」
オバチャンったら、2匹もオマケをくれるぢゃないですか!
3匹買って2匹のオマケって、比率的には凄すぎますよ!!
ありがとう! おばちゃん! また買うね!!
後に、自宅に送られてきたカニを見ると、、、
2匹は、まったく味噌が入っていないスッカスカ。。
オバチャンは売り物にならないカニが判っていて、それをオマケにくれたのね。。
サービスだからモンクも言えません。
北陸道の開通後、、国道を通り抜けるクルマは激減したハズです。
あのオバチャン達はどうなりましたでしょうか。。
ボンビー出張の怪
ある時、同行する事になった後輩は、、ドエラくボンビー。。
その時の日程は、新幹線と北陸線の特急を乗り継いで前日に福井まで移動し、
宿に泊まって翌朝からシゴト、、、そんな計画でした。
すると、、、ボンビー後輩に、妙な提案をされたんです。
「夜行の高速バスで行きませんか?」
カイシャには、計画通りの交通費と宿泊費を請求し、
実際にはホテル代を浮かせ、新幹線と夜行バスの差額分も含めてポッポに入れる作戦なんですよ。
今なら横領ですね。オーリョー。。。
しかし、、当時は古き良き牧歌的な時代。。。それもアリだったんです。
結局、コーハイの提案通り、夜行バスで行きましたよ。
当時の夜行バスには3列シートなんぞ無く、、4人ずつギチギチに詰める修学旅行みたいなバス。
なかなか寝付けず、ヘロヘロと福井に着いたものの、、
到着が早すぎちゃって、時間をツブすのがタイヘンでした。。。
果たしてどんだけシゴトになったのか。。もう思い出せません。。
神戸経由の怪
天下りみたいな感じで入社してきたエラいヒトが居まして、、
赴任早々、山口県と福井県への出張に行くと言うんです。ワタクシも同行で。。
このエラいヒト、、直前まで神戸勤務だったので、、
「東京→(飛行機)→山口→(新幹線・JR)→福井→(新幹線・JR)東京」
こういう感じの1泊2日ルートを提案して差し上げました。
宿泊は、移動途中の神戸あたりでどうかと。
エラいヒトは大いに喜び、、、、それでキマリ。
神戸では、まずは中華街でメシを喰らい、エラいヒトの行きつけだったスナックへ、、
そんな展開となりました。
スナックのママさんと、カウンターを挟んでニコニコ会話をしていたら、
何の脈絡もなく いきなり
「なんや! ダボォ!!」
などと大声を出したのでビックリ。。
ママさんは、カウンター下に置かれたテレビでコッソリ野球中継を見ていまして、
ちょうど、、阪神が逆転されたところだったんです。
あああ、これぞ関西圏。。などと大いに納得した出来事でした。
結局、エラいヒトはキッチリと呑みすぎ、、、
翌日、福井に向かう特急雷鳥の席では微動だにせず、、、、
客先でもデクノボー状態でしたとさ。。
民宿のノートの恥
その当時、18歳のワタクシ。。
夏休みの前半にバイトで貯めた小銭をニギリしめて北陸の旅へ。。
親戚宅とかを除けば、これまでで最も長い、6泊7日の一人旅でした。
高山、富山、金沢、能登半島と周り、終盤の5泊目の宿は福井県の三国港。
翌日の東尋坊見物に備えて、芦原温泉駅からのバスで乗りつけました。
泊ったのは、芦原温泉駅で紹介された、三国の民宿。
もう宿の名前も思い出せませんですが、、、飾り気のない商人宿みたいな感じでした。
ひとりでメシを喰らったら、あとはテキトーにクツロいで寝るだけ。。
自由で気ままなひとり旅ではありますけれど、、、
こういうヒトトキは、少しばかり寂しいものです。
床の間に、無造作に置かれたノートが目に入りました。
手に取ってみると、、、どうやらソレは宿が置いたもので、
その中には、宿泊者がたちが残した文章が綴られていました。
自分の旅の行程や、観光地の感想だったり、、
ちょっとした詩や、殴り書きの絵、キッチリと仕上げられたイラスト。。
そして自己紹介のようなものもあったんです。
こういうノートは、後にアチコチで見かけましたけれど、その時のワタクシにとっては初めての遭遇。。
見ず知らずのヒトサマの文章に触れるのは新鮮で、激しく感激したのです。
メール、掲示板、ブログ、SNSなど、何一つ存在しない時代でしたからね。
ヒマを持て余していたワタクシ、、書きましたよ。あぁんな事もこぉんな事も。
ヒトサマの自己紹介に倣って、「連絡ください」みたいなメッセージまで残しました。
それが、まだ見ぬ誰かの目に留まる事を期待し、、、
「旅先での出会いだぜい!!」 などとワクワクしたものです。
結果ですか? 良くも悪くも全く反応ナシですよ。アタリマエですね。。
もう、その宿の位置も名前も思い出せませんですけれど、、
まだ、あのノートが残されているとしたら、、、
ソッコーで、そのページを破り捨てたいです。。
ああコッパズカシい。。
それから歳月が流れ、、、
九州からの帰りのフェリーで、カミさんと「旅先での出会い」を果たしたのでした。。
めでたしめでたし。
この記事へのコメント
凡・ハヤト
夜行バスは、しっかり眠られなくて辛いでしょうね。^^;
おぎひま
今のお大尽なバスならば真横に寝られるそうですが、
この時代は横4人。
隣がトイレに起きるたびに叩き起こされました。
narayama2008
カニ売りのオバちゃんからその後、セールスの電話とかなかったですか。
私は北海道でカニを買って送ったら、その後、買った店からカニのセールスの電話が何度かありました(苦笑
おぎひま
おっと、オカワリの売り込みがありましたか!
キチンとしてて安いやつなら良いのですけどね。
ただ、ヨロシくない店もあるみたいでして、、
選んだのと送られてきたのが全く別物。。なんて事も。。。
かにょにょ@横歩き
山田養蜂場のはちみつを買うと毎年お誘いの手紙が来ますよね。
おぎひま
なるほど、山田養蜂は、なかなか手堅いですね。
ハガキだけなら許せると思います。