スッチーバトル・ブログ版【1】いざハワイへ!! ヨッパライを乗せてヒコーキは飛ぶ。。。


振り返り旅行記の海外編、、、2つめの行先はハワイです。
これも社員旅行、、、今から思うと良い時代でした。
まだまだ旅慣れない日本人が、、海外で恥をかいた時代でもあります。。
あ、全ての日本人の事では無いですよ。
ワタクシども、下層のニンゲンが該当しましょうか。。

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メインサイトからの再掲載で、原文ママでイキます。
掲載当時は好評だったハナシなのですけれど、、
今、改めて読み返しますと、、
イマドキの公序良俗に、、思いっきり反しているぢゃないですか。。
今では、ヨロシくない行動であると反省しております。。
古い話ですし、お許しいただければ幸いです。。

ーーーーーーーーーー(以下、本文)ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

それは、成田発ハワイ行きのアメリカの航空会社のジャンボジェットでした。
ボンビーだったワタクシが自前でハワイに行ける訳が無く・・・・
いや、それよりも、オトコ一人で行くような空しい事をする訳も無く・・・・・
カイシャ持ちの社員旅行だったのです。
ダータなのです。
とにかく、自腹だろうがダータだろうが、ヒコーキに乗ったからにはサービスを満喫しなければ損です。
まずはルービを・・・・・
飲み物の種類を確認しようとして座席の前のポケットを物色すると、なにやらメニューのようなモノが出てきました。
そしてそこには、予想外の事が書かれているではありませんか。
なんと、飲み物は全て有料で、しかもドル払いだというのです。
ほぼ同時に、サービス課の課長が声をあげました。
「なんだよう!!持ち込んだのを呑むのも禁止だってよう!!」
課長は、機内の楽しみ用として、キッチリと免税店でウイスキーを買ってきていたのです。

当時のワタクシが乗った事がある国際線は、香港行きのカナダの航空会社と、そして帰りの英国の航空会社。
どちらも呑み放題だったので、国際線はそういうモノだと思ってたのに。
その香港行きも社員旅行で、んもぉ恥知らずの機内ドンチャン騒ぎになっておりました。
水割りは何杯でも無料サービスでしたが、パーサーはさすがに
「コイツラに、これ以上呑ませたらヤバい」
と的確な判断を下し、もうオカワリをくれなくなったのです。
業を煮やした一人の飲兵衛が、遂にギャレーに押しかけます。
「オカワリ、プリーズ!!」
「ノー!!sold out!!」
恰幅の良い白人男性パーサーが、笑みを浮かべながら諭すのですが、飲兵衛は聞き入れません。
「オラァ!そこにウイスキーのビンがあるぢゃないかよう」
薄笑いを浮かべながら、おもむろにスコッチのビンを掴み取る飲兵衛。
営業スマイルを貫きながらも、それを取り上げようとするパーサー。
やがては、二人してスコッチのビンを握りあったまま、まるでダンスを踊るが如く、笑顔を並べて右往左往しているのです。
何とも見苦しい光景です。
よく逮捕されないものでした。

さて、話はハワイ行き飛行機に戻ります。
一人のオヤジが発案しました。
「コーラを買い、そこに持ち込んだウイスキーを注ぎ足せば良い」
さっそく、コーラが注文され、大柄金髪スッチーが氷入りのコーラを運んできました。
すばやくウイスキーを注入し、ンマそうにすする課長。
「ホラッ、オマエラもやってみろ。イケるぞぉ」
すかさず何人かがコーラを注文し、課長のウイスキーのビンがおごそかに回されました。
誰かが注ぎ足すのを見られたのか、あるいは減らないコーラが不審に思われたのか、大柄金髪スッチーが大またで突進してきました。
「ノォォォ!!」
スッチーは、一人の席の前のポケットからメニューを取り出すと、
『お酒類は当社がご用意いたします。持ち込みはお断りいたします』
とニポン語で書かれた部分を指差し、
「オーケェ?」
などと満面の笑みを浮かべながら、コーラを頼んだオヤジ全員のコップを次々と取り上げて立ち去りました。
それでメゲるオヤジどもではありません。
観念したフリをして、今度は水割りを注文しました。
もちろん、呑んだ分だけ注ぎ足すツモリです。
「いいか?増えて見えないように、気をつけて注ぐんだぞ」
しかし前科があるだけに、そんな簡単に誤魔化せるとは思えません。
ワタクシは意表をついて、オレンジジュースを注文しました。
これならば、ウイスキーを混ぜるのがバレないと考えたのです。
フツーにウイスキーを買っても、決してボッタクリ価格ではありませんし、オレンジジュース割りなんかが美味い訳もありません。
要はスッチーとの、いや、そのアメリカ航空会社との対決なのです。
真っ先にバレたのは、ワタクシのオレンジジュース割りでした。
色の怪しさが決め手になったのでしょうか。
大柄金髪スッチーは、エモノを追い詰めた肉食獣の様に、今度は一歩一歩を踏みしめながらワタクシに迫ってまいりました。
「ノォォォォォォォ」
スッチーは、再びメニューの注意書きを指し示し、ひったくるようにワタクシのコップを取り上げます。
相変わらずの笑顔ですが、よく見れば眉間にシワがよっております。
怒ってるのは間違いありません。
しかし、注ぎ足しウイスキーのオヤジどものは取り上げられません。
バレてないのか、証拠が無いからなのか・・・・
「オマエも、ヘンに考えすぎないほうが良かったんだよ。バカめ。」
「は・はぁ・・・・」
「どうする?キャップでチビチビとでも呑むか?」
課長が、足元のバッグからウイスキーのビンを取り出した、まさにその時!
「ノォォォォォォォォォォォォ」
どこに隠れていたのか、大柄金髪スッチーが、踊るように飛び出してきたのです。
カノジョは、不正ウイスキーをいちいち没収する手間よりも、気がつかないフリしてオヤジどもを安心させ、ビン自体を摘発する作戦に変更していたのでしょう。
アッサリとビンは没収されました。
妙に肩を左右に揺らしながら立ち去るスッチーの後姿は、まるでビクトリーランのように誇らしく見えました。
他のオヤジどものコップは、なぜか没収されませんでした。
ポツンポツンと残存する不正水割りコップ。
もう注ぎ足すモノが何も無いだけに、かえって寂しげな存在でした。
夕暮れを迎えようとしている窓の外に広がるのは、『海行かば』が聞こえてきそうな、必要以上にギラギラした海でした。

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さて。
一般的に日本の接客業は、『お客様は神様です』が合言葉なんでしょうか。
理不尽な客にムチャな注文をされたって、
「スマイル、スマイル。とにかくスマイルッ!!」
などと、後で便所の影でクチビルを噛みしめ、時には涙しちゃったりしながらも、とにかく逆らわないというイメージがありますが・・・・・・・
時には、ホネのある日本人スッチーもいるようです。

それは、仕事で行ったシンガポールからの帰りの、成田行き夜行便でした。
ラッキーにも、自分の前が通路になってる席を割り当てられた我々同僚3人は、足を投げ出してガハガハと見苦しく過ごしておりました。
深夜、ヒマなもので、機内販売のカタログを眺めていると・・・・
ひとつ目に留まったモノがありました。
それは、ヒコーキの形をしたチンケな目覚まし時計。
オモチャみたいなヤツで、1000円くらいです。
この主張中にちょっとトラブり、それを国内からフォローしてくれた同僚のトッチャンボーヤがいたのです。
ソイツがやたら寝坊・遅刻するヤツだったので、フォローのお礼とシャレで、その目覚まし時計をオミヤゲにしようと思ったのでした。

せわしなく朝食の準備に右往左往するスッチーどもが一息つくのを見計らって、いよいよ時計を注文しようとしたら・・・・・
「ただいまを持ちまして、機内販売を終了させて頂きました」
のアナウンス。
なんだぁ。
ダメモトで通りがかりのスッチーに声をかけてみました。
「ねぇ、この時計、売ってよ」
「すいません。もう〆てしまいましたもので・・・・・」
大して売れてる様子も無く、ただただワゴンを行ったり来たりさせてただけの機内販売でしたので、かえって喜ばれるかと思ったのに。
激しく欲しかった訳ではありませんでしたので、
「へぇ、それならいいや」
と言ったら、何が気に入らなかったのか、スッチーが説教攻撃を仕掛けてくるのです。
「お客様、そういう事は、もっと早く言って頂かないと困ります」
「にゃ、にゃにおう?メシの支度が終わるまで遠慮したんじゃんかよう」
「夕べのうちに、ご注文いただけたじゃないですか」
「だから、もう要らないって言ってるっしょう」
我々の態度に問題があったのでしょうか。
とにかく、スッチーは怒っちゃったのです。
そしてツカツカと、我々の前から立ち去っていきました。

しかし、そこはプロの客室乗務員。
ほどなくして冷静に戻ったのか、我々を慰め、そしてご機嫌伺いに戻ってまいりました。
「お客様、ご要望の時計をお売り出来なくて申し訳ございません。」
「いえいえ、仕方ないです」
「その代わりとして、私どもの航空会社名のロゴの入ったフーセンをお子様に・・・」
どうやらスッチーは、時計はオコチャマへのオミヤゲだと勝手に解釈したようです。
そこでフーセンなどを持ってきたのでしょう。
しかし、貰い主はトッチャンボーヤといっても、リッパなオトナです。
そのトッチャンボーヤがフーセンを手にボーゼンとする姿を思い浮かべたワタクシどもは、んもぉガマンができませんでした。
「プププププ」
「ぶゎははははは」
「ケケケケケケ」
一斉に、爆笑してしまったのです。
なんだか事情が判らないまま、せっかくの善意を笑い者にされたスッチーは、フーセンを鷲づかみにしたまま立ち尽くし、やがて真っ赤な顔をして無言で立ち去りました。

しかし、さすが超大手航空会社のスッチーでした。
そんな事でメゲる訳にはいかなかったのでしょう。
航空会社名の入ったビニール袋を手に、またまたワタクシどもの前に現れました。
「お客様、ホントは無理なんですが、と・く・べ・つ・に、手入力で処理して時計をお持ちいたしました」
おおっ、やれば出来るじゃん。
でも、なんだか恩着せがましい言い方が気に入りません。
「もういいって言ったんだから、要らないよ」
「そ・そんな事おっしゃらずに。せ・せっかく手入力で・・・・」
おそらく、今更戻すにも、と・く・べ・つ・な処理が必要なのでしょう。
でも、下手に出てまで欲しくなんかありません。
「それじゃ、ボクが買いますから」
3人の中の若手君がサイフを取り出し、その場は納まりました。
ほどなくヒコーキは成田に到着しました。
帰って来たニポン。
わずか一週間とは言え、懐かしいのです。
ドアの所で乗客を送り出しているのは、あのスッチーです。
「ご利用ありがとうございました」
スッチーは何事も無かったように、アタリマエの挨拶をします。
さすがプロです。
こちらも、オトナとしての対応をしなきゃなりません。
「こんなツマラナいモノで、わ・ざ・わ・ざ・手を煩わしてスイマセンでしたねぇ」
スッチーは、メリハリの利きすぎた顔面のパーツ類を、更に強調するような表情になりながらも
「いいえ、良いんです、お客様。今度からは・・・・」
ワタクシは、最後まで聞かずに機外に出ました。
今更の小粋なトークよりも、早くタバコが吸いたかったのです。

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この記事へのコメント

  • narayama2008

    こんにちは。

    機内の出来事、楽しく面白く読ませて頂きました(^^)

    今だと誰かに動画に撮られてこのような乗客がいたとユーチューブやツイッターにアップ、更にテレビのワイドショーでも取り上げられて有名人になっていたりして・・・(^^;
    2023年05月28日 10:56
  • おぎひま

    narayama2008さん、コメントありがとうございます。


    そうですよ、今だったら、、、
    デジタルタトゥーが何枚あっても足りません。
    昭和のオッサンで良かったです。
    2023年05月28日 11:24
  • 山ちゃん

    こんにちは!
    いや~あっ、国際線の機内でドンチャンとは昔の海外旅行でよく行われていたと伺います(^_-)-☆
    IATAに加盟しているか否かで、機内サービスが大違いですから航空会社選びが大事だと教わった記憶があります。
    2023年05月30日 17:18
  • おぎひま

    山ちゃんさん、コメントありがとうございます。


    今でこそ日本人のマナーがホメられますけれど、
    当時は、なかなかヒドいものだった記憶です。
    なるほど、航空会社の選択も大事なのですね。
    この時は社員旅行でしたので、旅行社におまかせでした。。
    2023年05月31日 07:17
  • かにょにょ@横歩き

    オドロイタ!

    このスッチーバトルは昔拝見していましたが改めて読んで驚いてます。(皆さん日常のストレスを機内で見事に払っていますネ!!)ちなみに機内食は私の1度だけの海外社員旅行(サイパン)の経験では機内食以外の機内の飲食は有料だったと覚えておりますー。
    2023年06月01日 18:46
  • おぎひま

    かにょにょ@横歩きさん、コメントありがとうございます。

    機内食、、、
    冷静に考えれば案外とチャッチィのですけれど、
    機内のオタノシミとしては嬉しいものですよね。
    餡距離路線ですと、、、時差の都合で何度も出てきて参りました。。
    2023年06月02日 07:19

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