シゴトで、千住まで出向いてきました。
足立区の千住と言う街、、、、、、
かつては「治安が悪い」「ヤンキーの街」と言われた時代もありましたが、
今や、「住みたい街」として評価されてるんですって。
奥の細道のスタート地点としても知られています。
「奥の細道」は、誰もがご存じの紀行スペクタクル。
松尾芭蕉さんが、弟子の曾良さんを連れて俳句を詠みながら歩いた、
いわば東日本ライブツアーですよ。
芭蕉さんは深川の住居を引き払って隅田川を船で遡上し、
下船したのが千住。そして千住から歩き始めたんですって。
立ち寄ったココは「千住大橋」の下。
目の前を横切っているのがソレです。
その下をくぐる正面の小さな橋は「千住小橋」。
ウソみたいですが、そういう名前の人道橋なんです。
このあたりは「千住の橋戸河岸」と呼ばれる所。
船での物流の中継地点として発展した千住の街の、まさに心臓部ですね。
隅田川の堤防内に設けれられた遊歩道には、
「全国のものが集まった」「舟歌が流行った」「茶屋が栄えた。うっふぅん」
そんな解説が、つらつらと並べられていました。
橋のすぐ脇に、釣船や屋形船の船着き場がありました。
芭蕉さんが上陸したのは、このあたりでしょうか。
千住で船を降りたのはマチガイないのでしょうけれど、、
それが隅田川の右岸なのか左岸だったのか、それが判らないそうです。
え? 草加、春日部と辿るのだから、下船はコチラ左岸ですよね?
だって右岸で降りたら、結局隅田川を渡らなきゃならないし。。。
そしたら、、、その頃、すでに千住大橋は存在したんですって。
完成が1594年、隅田川に掛かる最初の橋だったそうです。
芭蕉さんが旅立ったのが1689年。100年近く後ですか。
調べてみたら、、、およそ20年ごとに橋は架け替えられ、、
芭蕉さんが渡っとしたら、それは4代目の橋になります。
「千じゅと云所にて船をあがれば、
前途三千里のおもひに胸ふさがりて、
幻のちまたに離別の泪をそそぐ」
現代風に言い換えれば、、、、
千住とかいう所で降りたらさぁ、、
先が長すぎちゃって、すんごいプレッッシャー。。
それがマボロシぢゃないんだから、別れが辛くて泣けてきちまったい。。
こんな感じですね。
その状況を詠んだのが「行く春や 鳥啼(なき)魚の 目は泪」なる句。
なぜか、東北道の蓮田SAに、この句の歌碑がありましたっけ。
千住大橋の位置は、赤丸の所。
ワタクシの撮影ポイントは、全て橋の北詰あたりです。(上が北)
左右に流れるのが隅田川。右が河口側になります。
すぐ北側に見える線路と駅は、京成線の千住大橋駅。
今だったら、芭蕉さんはココで降りたかもしれません。
JRで来るとしたら北千住と南千住の真ん中になりますが、
いくぶん、南千住のほうが近いです。
芭蕉さん、どの路線を使いましょう。
鉄道が使えるならば新幹線で行く? ごもっとも。。
地図を拡大してみました。
赤丸が千住大橋、クネクネと流れているのが隅田川ですね。
すぐ右隣りに、もっと太い川が寄り添っていますが、それは荒川。
奥秩父・甲武信ヶ岳あたりを水源とし、長さは170kmに及ぶ大河です。
ただし、写真に映っている部分は1930年(昭和5年)に完成した人工河川で、
ホントの名前は「荒川放水路」と称します。
なので、、芭蕉さんの時代には、影も形も無かったんですよ。
荒川の水は、全て隅田川に流れ込んでいました。
もし、、芭蕉さんの時代にも存在していたら、、
果たして、どんな句を詠んでいたでしょうか。
「また川だ 橋なき渡渉 目は泪」
こんな句は読まなかったと思います。。
本文とは全く関係ありませんですが、、、、
千住への道中、R4日光街道の道沿いで、こんな看板を見かけました。
「でんきの高い店 キャッスル電器」とあります。
「高」の字が逆向きで、「高いの逆 = 安い」と読ませ、
ささやかなウケを狙っているのでしょう。
思いっきり昭和の手法ですね。ココロ休まります。
芭蕉さんがコレを見かけたら、こりゃ詠みますね。
「涼しさや 胸に染み入る おやぢヂャグ」
こんな句も読まないでしょうね。。
そもそも、船で通過してるハズですから。
この記事へのコメント
ジュン
スッと言葉が出って来ますね
しっかりと面白く拝読
次を待ちます
おぎひま
お楽しみいただいて、光栄でございます。
シゴトがらみではなく、レジャーでお出かけしたいです。。
かにょにょ@横歩き
北千住はほぼ地元になりますので落ち着いたら見にゆこうかと思います☺️
おぎひま
東武線の守備範囲ですもんね。
ワタクシは見ていませんが、石碑などもあるそうです。
かっちゃん
「でんきの高い店」の反対、面白いです。
世の中笑いがないとつまんないよね。
千住の辺り徘徊したことがあります。
南千住の駅前に芭蕉さんがいらっしゃいました。
記念館にも入った記憶があります。
俳句上手ですね。(拍手)
おぎひま
印象に残らせれば勝ちですもんね。
でも、、このところ電気代が高くて。。
コレもひっくり返して欲しいです。
芭蕉さんは南千住にいらっしゃいましたか。
シゴトではなく、じっくり訪問したいです。