丹沢山塊・塔ノ岳山頂の尊仏山荘で過ごした夜は、、
吹き荒れる風の音が、一晩中響き渡っていました。
夜が明けると、、ホワイトアウト状態。。
稜線の西側から親の仇のように湧きあがってくる雲。。。
これでは日の出が拝めそうにありません。
雨では無い分だけアリガタく思いましょう。。
日の出の時刻は4時半でしたが、
その時刻になっても、薄ボンヤリと東の空が明るくなるばかり。
5時を過ぎてからシレっと顔を出した太陽は、おぼろ月状態でした。(↓の写真)
おそらく下界では晴なのでしょう。
時折、ガスの切れ間から青空が覗きますもの。(↓の写真)
晴れ間が太陽の位置と重なると、一瞬だけ夏の日差しが戻ってくる感じです。
ちょっと待った!
東の低い位置に太陽、、、反対側の西には濃ゆいガス、、、
と言う事は、、、
もしや、あの方がご登場しませんですかね?
ブロッケンの妖怪さまがですよ!
ブロッケンの妖怪とは、太陽を背にした自分の影が前方の霧に投影され、
いかにも後光が指した感じに見えちゃう現象です。
ドイツのブロッケン山でよく見られるんですって。
ワタクシは、剱岳登山の際、
剣御前小屋付近で遭遇した事があります。
それに続く、2度目の邂逅、、、といきたかったのですが、、
ブロッケンさまったら、照れやさんなんだからぁ!
日差しとガスのタイミングが、あと一歩合わないんです。
やはり、強風の中ではムツカシいのでしょうか。
前回の遭遇時は、ほぼ無風でしたっけ。
位置的には、間違いなくココにいるハズなのですが、(↓の写真)
どうにも姿が見えません。
ええいっ!
こうなったら、ココロの目で見ましょうか。
いわゆる見たツモリ!
剣御前の時はホントに見えたのよ。信じて!
そしたら、、、
いきなりソレが登場!
わぁ! やたらクッキリしたブロッケンの妖怪さまだぁ!(↓の写真)
もちろん、そんな訳はありません。。
ブロッケンの妖怪に扮したカミさんです。
そしたら、山荘の出入り口からマナムスメが顔を出しました。
「2人でなにやってるの? 朝ゴハンだよ!」
【時刻は5:30】
朝ご飯のオカズは、おでんでした。(↓の写真)
夜のカレーと同様、コレも定番のメニューだそうです。
朝からゴチソウ、嬉しいですね。
そうそう、我が家でも朝おでんは食べますよ。
それは前夜の残りを食べてるだけ?
その通りです。。
メシを食ったら、、、
丹沢山まで往復する事にしました。
ガスがかかってますから眺望は望ず、、
丹沢山のカンバンだけ見て、山頂の地面だけ見て帰る事になる可能性も。。
いえいえ、途中で晴れるかもしれません。
丹沢山までは快適なアップダウンを楽しめる道です。
最初の小ピーク、日高(ひっだか)を通過するも、、(↓の写真)
やっぱりガスの中でした。。。
【時刻は6:47。尊仏山荘より0:27】
竜ヶ馬場に続く木道も霧の中。(↓の写真)
この道は、蛭ヶ岳に向かった際に歩いていますが、
ソレは中学生時代ですから、ほとんど記憶はありません。
確か、木道なんぞは無かったですね。
それは大蔵尾根も同じです。アチコチが木道だらけですね。
竜ヶ馬場に到着。
展望が良いとされる場所ながら、、、やはり白一色。。(↓の写真)
ここは何となく覚えていますが、
当時は、道の両側に延々と続く柵などはなく、やたら開放的だったように思えます。
木道にしろ、山を守る為には仕方が無い事なのでしょうね。
【時刻は7:07。日高から0:20】
丹沢山に到着!(↓の写真)
アリガタい事に薄日が差してきました。
でも、、お隣の蛭ヶ岳の姿すら望めません。。
オトナシく看板だけ見ましょう。
「日本百名山 丹沢山 1567m」
ただし、深田久弥氏の百名山に名を連ねる「丹沢山」は、ココではありません。
丹沢山塊をひとくくりにしての百名山入りで、「丹沢山」はその総称。
なので、百名山リスト上の標高は、最高峰・蛭ヶ岳の1673mが採用されています。
1567mの丹沢山くん、100名山入りはチームとしての栄誉なので、独り占めしちゃダメよ。
【時刻は7:37。竜ヶ馬場から0:30】
山頂の、みやま山荘です。(↓の写真)
なかなかリッパな小屋ですね。
ワタクシが通過した当時の姿は思い出せませんが、
小屋の前で、鹿がボォォォォっと突っ立ってた記憶は鮮明です。
今回は、その姿はありません。
道中、彼らの放出物は見ましたけど。。
富士山が顔を出してくれました。(↓の写真)
アナタも照れ屋さんなのですね。
でも、姿を見せてくれてありがとう。
これで堂々と
「丹沢山で富士山を見た!」
と宣言できますって。
聞かされた相手は、何の事だか返答に困りそうですけど。
【丹沢山出発 8:00】
塔ノ岳への帰路、、、
本来なら小ピークが連なる軽快な尾根道なのでしょうけれど、
ボンヤリしちゃってイマイチ眺望も楽しめません。(↓の写真)
そして、、少し急がねばなりません。
9時までに塔ノ岳に戻りたかったんです。
山荘のご主人から聞いたのですが、、
この日、その時刻に、丹沢チャンプさんが尊仏山荘に到着するとの事でしたから。
丹沢チャンプさんは、ボッカとして塔ノ岳の登頂が5500回を超えた超人です。
ご年齢は、もう65歳になるそうですよ。
尊仏山荘にある雑誌の写真で見かけた容姿は、、
ピッチピチの短パンからムキムキの太ももをあらわにし、
白ワイシャツの裾をハタメカセたイデタチでした。
そんなセクシーなお姿を、一目拝見したいぢゃないですか。
その為にも、急がねばなりません。
眼下にユーシン渓谷が見えてきました。(↓の写真)
急げ急げ!
塔ノ岳の北部キレットに着きました。(↓の写真)
キレットの底で、チャンプさんのポーズをキメるマナムスメ。
あとは、山頂までイッキの登りが待っています。
すでに9:00着は絶望的ながら、、、出来るだけの事はしましょう。
【時刻は8:52。丹沢山から0:52。チャンプ登頂まで残り8分!】
ま、まあ、電車やバスぢゃありませんし、
チャンプさんだって、そんなにピッタリは着きませんでしょう。
それに、小一時間くらいは休んでから下山すると思われますし。
荷物を背負ってる姿を見る為には、チャンプさんより先着する必要はありますが。。
振り返れば、山頂がギリギリ見えない蛭ヶ岳。(↓の写真)
これが、今回では一番のセクシーショットでした。
塔ノ岳の山頂に戻ってきました!(↓の写真)
時刻は9時7分。
予定時刻は過ぎてしまいましたが、、、急いで山小屋の中を覗くと、、
チャンプさんの姿はありません。
やった! チャンプさんより先に到着したぞぉ!
勝った! 、、、、って、スタート地点が違いすぎますね。。
ところが、、、ご主人曰く、、、、
チャンプ? たった今、帰っちゃたよ。
がぁぁぁぁぁん。。
小屋への滞在時間は、わずか5分だけだったそうです。
と言う事は、、、2分の差だった訳ですね。。
無念。。。激しく無念。
もちろん、後を追ったって、追いつける訳がありません。
相手は登頂5,500回超のスーパーマンで、、
コチラは登頂5時間半のヘタレなんですから。。。
【時刻は9:07。キレットから0:15。チャンプ取り逃がす。。】
【コースタイムまとめ】
塔ノ岳→(0:27)→日高→(0:20)→竜ヶ馬場→(0:30)→丹沢山
丹沢山→(0:52)→キレット→(0:15)→塔ノ岳
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【その4】お帰りは表尾根から大倉へに続く
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