引き離されちゃった恋人「織姫」と「彦星」のオハナシが七夕伝説ですね。
実はワタクシの両親も、人為的に引き離された過去がありました。
この世にワタクシが存在しているという事は、、、
両親はソレを乗り越えたからに他なりません。
駆け落ちではなく、円満にソレを成し遂げられたのは、、、、
我が親父が、天の川をガッツで強行突破したからなのだそうです。
当時の親父は、20台半ばの中小企業のサラリーマン。
生まれも育ちも東京で、すでに父親を亡くしてました。
4歳下の母親は、生まれも育ちも長野県田舎市(仮名)。
同じく父親を亡くしていたんです。
集団就職(?)で上京し、今で言う准看護師をしていました。
もちろん、両者は面識がありません。
紛らわしいので、、
以下、「親父→父男」「母親→母江」と言う事にしましょうか。
父男のカイシャの社長が、友人である病院長に
「ウチの若いモノ(父男)に、ヨメを紹介してくれい!」
ってな事を依頼し、、、
病院長が、看護師の中から選んだのが母江。
すぐに2人は引き合わされ、、、、恋に落ちた、、、、
のかどうかは判りませんが、とにかくデートは重ねたそうです。
父男は、イナカモノの母江に振り回されたそうですよ。
例えば、、、
映画館で、上映中に「今のシーン、どうして?」ってな質問を母江が繰り返し、、
周囲の客に叱られまくったり。。。
デートの待ち合わせのデンワで、母江に
「新宿駅で3時ね!(ガチャ)」なんて事をされ、、、
もちろん、携帯電話なんてモノは無い時代ですよ。
父男は、広大な新宿駅を走り回る結果になったり。。。
それでも、、、いよいよ結納の日を迎える事になったんです。
イマドキの結納は、仲人を立てずに両家が集う「略式」が主流ですが、、、
当時は、仲人が結納セットを持って両家を行き来する「正式」がアタリマエ。
仲人であり、父男の父親代わりでもある社長が、長野県田舎市の母江実家を訪問しました。
ソレを迎えるのは、、母江の次兄。(以下、兄男)。
父親と長兄が戦死して以降、、、農家を受け継いで孤軍奮闘の兄男。
父親代わりとして母江ら兄弟3人を養い、そして社会に送り出し、、、
とにかく、苦労人な御仁なんです。
兄男は、ヨメに行く可愛い妹(母江)にハジをかかせまいと、、、
走り回って結納金の半返し金をかき集めたんですって。
そして、結納の儀。
兄男の前にアレコレと結納グッズを並べた社長、、、いざ結納金を差し出す最、、
社「コレ、あらかじめ半返し分を抜いてありますから。そのまま収めてください」
兄「ど、どういう事ですか?」
社「そのほうが、アンタらも楽だと思ってね」
兄「ば、ばかにしないでください」
社「アンタらの為ぢゃないか!」
兄「お引取りください。そして、そして二度とウチの敷居を、、、、わなわな」
社「なにをぉ? ワカゾーのクセにナマイキな!わなわな」
兄「けぇれと言ってるんだ!!」
社「フン! 話も通じないイナカモノめ!!」
キマジメで頑固な信州人の代表みたいな兄男ですから、ヘソを曲げたらオシマイで、、
もちろん破談です。
それどころか、、、、
兄男は母江のシゴトも辞めさせ、田舎市に連れ戻してしまったのです。
父男、、、ピィィィィィンチ!!
このままオワリだったら、ワタクシも我が家のコドモ達も存在しない訳ですが、、、
ここで、父男がガッツを出したんです。
誰にも告げずに、単身で母江の実家に乗り込んだんですよ。
信越本線の田舎市駅(仮名)に降り立った父男。
ここで、ちょっとマヌケと言いますか、、、アフォと言いますか、、、
駅員に「兄男さんのお宅はどこですか?」
などと尋ねる父男。
あのぉ、、、いくらイナカと言ったって、ウン万人も住んでる市の代表駅なんですよ。
もちろん、駅員が兄男邸など知る訳もありません。ナメすぎです。
父男と駅員とでカンカンガクガクしていると、、、
たまたま兄男を知っている人が、ソレを聞きつけて声をかけてくれたんです。
殆ど奇跡に近いぢゃないですか!
どうにか母江実家への行き方をゲットした父男でしたが、、、
イナカの情報伝達は、フレッツ光なみに早いんです。
父男来襲の情報はソッコーで兄男に伝わり、、、
相手の出方が判らないものですから、、慌てて母江を裏山に隠す兄男。。
そして、遂に父男がやってきました。
兄男とは、この時が初対面になります。
一方、理由も聞かされずに裏山に篭らされた母江。
やがて母江は、ヒマを持て余すのも限界に至りました。
「♪発車ぁぁオーライィィ」などと「東京のバスガール」を口ずさみつつ、家に戻ってみると、、、、
なにやら、親戚一同が続々と詰め掛けてきているぢゃないですか!
その中心に座っているのは、、、、ああ! 愛しの父男!!
父男は兄男に対して、正攻法の土下座戦法に打って出て、、、
「キチンと筋を通した」
という事で兄男も折れ、母江との結婚も快諾だったんですって。
そして、親族一同を交えての大宴会にハッテンしたのでした。
当然のごとく、酒を次ぎ倒され、そして呑み殺される父男。。。
まあ、オムコさんの扱いなんて、そんなモノですよ。
そして父男は、母江側の親族一同から可愛がられ、、、、
兄男からも一目置かれる存在になったのです。
そんな武勇伝は、母方実家に行く度に、何度も聞かされましたっけ。
もう一方の当事者だった社長は、、、
父男と母江にアタマが上がらなくなり、、、
後に、父男はナゾの昇進をしたそうです。
(写真は、マナムスメ3歳の七五三)
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