フォーエバー! 足尾湖(栃木県日光市)

足尾銅山のすぐ上流で合流する、松木川・仁田元川・久蔵川。

その合流地点にフンバっているのが足尾ダムで、、、、

渡良瀬川という名前は、そこから始まるそうです。。

ダムの正式な名称は「足尾砂防ダム」。

その地形のまんま、「三沢合流ダム」と称する事もあるんですって。

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ダムの直下には「銅(あかがね)親水公園」なるモノが造られていました。

銅館と呼ばれる建物には、環境学習センターや軽食コーナーまであるんです。

写真は、ソコで食べた「冷やしぶっかけ 全部乗せ」。

プリプリっとした歯応えで、なかなかコレがイケてるんですよ、コレが!

営業は季節限定だそうですので、要確認です。


しかし、、、、いつのまに、このようなモノが造られたのでしょうか。。

こんなにコギレイになってしまうとは、想像も出来ませんでしたよ。。。。

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ダムがあると言う事は、その上流側には湖が、、、、ありません。

ダムのすぐ脇からの写真が↓、、、、荒涼とした川原が広がっているだけです。

しかし、、、かつてココは湖だったんナすよ。

山の斜面まで続く平坦な部分、、、、全て水に覆われていたんです。


それはいつの話かですって? 

ワタクシが高校生ぐらいの頃です。

当時、たまたま目に入った一冊の本・・・・・

確か「ローカル線の旅」という写真集でした。

足尾線のページに掲載されていた写真は、、、、なんともブキミな風景だったんです。

草木も生えていない剥き出しの山肌が迫る濃紺の湖。

それを、ドス黒くくすんだ鉄橋がムリヤリに横切っていまして、「足尾線の貨物線」との説明が為されていました。

バックは鉛色の空、、、見ているだけで寒々しく、、、、

まるで人類が滅んでしまった後の、まさにコノヨノオワリ的な雰囲気が漂ってみえました。

足尾というところは、なんてオドロオドロしい場所なのだ!

この光景、、、、ぜひとも実際に見てみたい!

そう思ったワタクシは、一人でこの地に出かけたのです。


間藤の駅に降り立ち、ひたすら川に沿って歩くと、、、、

朽ち果てたようにすら見える精錬所の横を通過し、とにかく歩き続けるワタクシ。。

フイに前方に見えてきたのは、、、、まさに足尾ダムでした。

目の前には写真どおりの光景。あの鉄橋もキチンとあります。

しかし、、、鉄橋のアップだった写真のアングルから外れていた全景が、なおさらブキミだったとは。。

濃紺の湖に迫る見渡す限りの山々には、、、、一本の木も無いんです。

湖畔から頂上に至るまで、、、奥の奥に鎮座する山でさえも、、、、

ホントに見事なまでの地肌剥き出し状態なんですって!

まさに、グランドキャニオンかモニュメントバレーか、、、あるいは火星の光景か・・・・・

圧倒されて、ただただ立ち尽くすワタクシ、、、フイにドタマを掠めたのは、

「これは、自分が死ぬ時、最後に思い出す風景に違いない」

どういう訳だか、そのように確信してしまったんです。

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目を背けたくなるような、二度と見たくない光景、、、、

とは感じず、、、妙にドタマに焼きついてしまったんでしょうね。

後に、この地には何度も通う事になったんです。

はるばると原付バイクで再訪をしたのを皮切りに、、

新しいバイクを手に入れるたび、必ず初ツーリングはココ、、、

そんなマイルールも出来上がり、実際にソレを果たしてきました。

初めて手にしたオフロード車であるTWで来た時は、この地点から上流の松木渓谷に続くダートに挑み・・・

なんと、あの鉄橋が足尾線とは無関係な、ただのパイプを渡す橋と判ってアゼンともしましたっけ。。


ハゲ山からは、ひと雨ごとに土砂が流出するんでしょうね。

湖は来るたびに縮小していくのが見てとれました。

最後に訪れた10数年前には、ダムの手前に小さな池を残す程度になっていて、、、、

もはや、とても「湖」と呼べる状態ではなく、地図などからは「足尾湖」なる表記も消えていったんです。

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そして今回の旅で、ホントに久しぶりに立ち寄ってみた訳です。

コギレイに整備された事にオドロいたのは前記の通りですが、、、、

それよりも何よりも、、、、、

山肌を覆いつくす緑、、、コレには、ココロのソコからタマげたんですよ!


足尾銅山の精錬所から排出される煤煙によってハゲ山と化したこの山々。。

高校生だったワタクシがココにたどり着く以前から、植林事業は行われていた模様です。

ダム脇に、それを紹介するパネルが展示されていた時期もありました。

急峻な山肌にヘバりつきながら、せっせと苗木を植えつける人々の姿、、、

どうにも気の遠くなるような作業に思えて仕方ありませんでした。

「山をこのような状態にしてしまったからには、どうにか元に戻そうとする姿勢だけでも示さなければ・・・」

そのような、先の見えない形だけの作業、、、そんな悪カングリさえしましたですとも。

それが・・・・

見事に復活していたんですよ!! 緑の山が!

荒廃する前の姿は見ていないものの、ココまでくればリッパな自然の山ですよ!

これは感動すら覚えました。やれば出来るのだって。

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もうひとつ、感慨にひたってしまった事は・・・・

あの時、未来も何も見えていないワカゾーだったワタクシが、

今や自分のマナムスメをココに連れて来ている事。

やっぱり、オトォチャンの時計は着々と時を刻んでいるんです。


カミさんは、「二度と来ることの無い場所」と認識したみたいです。

でも、ワタクシは、、、まだまだコッソリと通いますとも。ココに。

なにしろ、「自分が死ぬ時、最後に思い出す風景」なんですから。

しかし、もやは「死後の世界の光景」という立場でではありません。

「自分の死後も、現世は地道に良い方向に変わっていくのだ」

的に、、、コドモ達の世代に希望を託す象徴として。。。

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蛇足ではありますが・・・・

ここ足尾湖から峠を越えて、中禅寺湖の南岸に至る林道、、、

バイクで、そのルートにチャレンジした事がありました。

結果から言いますと、、、途中で断念です。

とにかく道の崩落があまりにも激しくて・・・・

ムチャをして、一歩間違えれば、、、

「この世の最後に思い出す光景」を、まさにその界隈で見るハメになっていたかもしれません。

後に、同じルートにチャリで挑んだヤツもいましたが、

ソレでも全くダメだったそうですよ。。。。

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